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ライブドアのフジサンケイグループ買収の件

[ memo ]

株式会社ライブドアが、株式会社ニッポン放送の買収?株式支配?を通じてフジサンケイグループとの提携?買収?を実施していることについて、類似業種の末端に所属している者としての感想を述べてみたいと思います。

株式会社ライブドアがフジサンケイグループを欲しい理由は、
1.自社が運営するポータルサイトの価値向上を短期間でかつ大幅に実現するためには、動画、音声、テキスト、画像、音楽など幅広いコンテンツ分野で、それの蓄積資産と製造能力を持つフジサンケイグループの買収は極めて有効であること。
2.フジサンケイグループに属するいくつかの企業は、上場可能と推定されるため、それを早期に上場させることで得られるキャピタルゲインにより買収費用の短期回収が可能であること。
の2点に集約されるものと思われます。


うち、1の点について堀江社長はフジサンケイグループを手に入れた後の明確なビジョンが無いと非難されている点について、私は堀江社長に同情を覚えます。だって、たぶんそんなことは彼にとって説明する必要も無いほど当たり前のことに違いないからです。
例えば、「TVは無くなる」みたいなことを彼は言いましたが、私もそう思います。
「動画コンテンツ」は無くならないが、「動画コンテンツを電波で配信し、アンテナで受信したうえで専用のテレビジョン受像機で表示する」という利用の仕方は明らかに減っていくであろうということは、たぶん正しいと思います。
そして、それが光ケーブルを通じてデータとして配信されパソコンで表示される=インターネットコンテンツに集約されつつあるというのも、きっと大きな方向性として正しい…んじゃないかなと思います。

具体的に言えば、ライブドア社がフジサンケイグループを手に入れれば、
・ニュース速報はもちろんニュースバックナンバーを含めて産経新聞情報がライブドアで見れる
・ニュース、バラエティ、ドラマ、スポーツ中継などの動画や音声コンテンツが、ストリーミングによる生放送から、過去の名作などのダウンロード方式での閲覧まで可能になる。そうすれば、サザエさんが第1回から最新作まで一気に見れるかもしれません。
・ポニーキャニオンの音楽ファイルは当然にダウンロードできるでしょう。
・扶桑社のもつ小説はすべてインターネットでダウンロードまたは書籍として購入できるでしょう。
・フジサンケイグループの持つキャラクターは素材としてダウンロードできるかもしれません。そうすれば、ガチャピンやムックの画像データをダウンロードしてホームページや年賀状の素材として使えるかもしれない。
そういうことなわけですが…。

堀江社長やその周辺の若く優秀な人たちは、きっとそういう世界を直感的に理解し、イメージし、そのビジネスとしての可能性にワクワクしてるんでしょうが、それゆえそうでない人たちには上手に説明できないんじゃないかなと思います。

一方で、フジテレビの日枝会長の熟成した財界人としての貫禄ある姿勢と対応方法にも尊敬の念を覚えますね。いわゆる大人の態度というのでしょうか。

それと比較して、レポーターやコメンテーターとか言う人たちのレベルの低さにはあきれ返ります。
ていうか、彼らにビジネスのことを語れというのが無理なのでしょう。
芸能人の離婚と同レベルでの取材やコメント取りには嫌悪感すら覚えます。あの程度のレベルのコメントや取材を電波経由で流すことに、「放送の公益性」云々を言うことに彼ら自身で疑問を感じないのでしょうか。

いずれにしても、800億円以上をかけてメディアグループの買収を仕掛けた新興企業の若手社長と、そのメディアグループを手塩をかけて育てた円熟した財界人代表のやりとり(ビジネスである以上、戦いという表現は正しくない気がしますね。)を通じて、自分も勉強させてもらいたいと思います。
いつ何時、そういうときが来てもいいように(笑。

caters [ 05.03.09 08:52 ]



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