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意地とプライド

[ memo ]

現在、すでに取り掛かってから3ヶ月になる仕掛案件があります。

このお仕事は、ある会社の受発注業務のシステム化案件で、正直、受発注システムについては構築経験もありますし、ある程度のノウハウもあるため自信を持って受注しました。

そして取り掛かったのですが…未だに難問山積みです。

まず業務フローが固まっていないというより、無いのです。
お話をいただいた会社さんは、極めて堅く、マジメな会社なので、正直、かっちりした業務フローをシステム化するだけだと思っていたのですが、あにはからんや取引業者との取り決めごとや、内部事務フローなどが極めて柔軟な対応が多く、言い換えれば場当たり的な対応が多すぎて、標準的な業務フローというものがほとんど存在しないわけです。
正直、まさかこれほどとは思っていませんでした。
これが誤算の第1です。

さらに、システム範囲が海外業者にまで及んでいるため、担当者のシステムスキルが読めず、また画面設計などの仕様も本当に実務に耐えられるかの見極めが難しい。
これにより、当初開発を100%破棄し、途中でまったく新たな開発思想に切り替え、最開発をしなければならなくなりました。
これが誤算の第2です。

そのうえ、打ち合わせのたびに開発内容の修正が加わる。
ご指摘の内容、変更の理由がもっともであるため、吸収せざるを得ない。
ということで、大幅な開発修正が繰り返される。
これが第3の誤算です。

正直、当初の見積りの倍以上いただいても割りに合うかどうか微妙な案件になっていますが、もちろんそれほどの予算超過が許されるわけはなく、この時点ですでに大幅赤字を覚悟しています。

それでも、何とかやり遂げたい。
というか、絶対にやり遂げる。
そう思って、開発担当者にもハッパをかけながら一歩づつ一歩づつ進めています。

自分でも、経営者の判断としてはいかがなものかと思っています。
でも、これでもプロですから。

当初のヨミの甘さを指摘されれば、仰るとおりです。
開発方針の大幅変更の時点で再交渉出来なかった交渉力の甘さを指摘されれば、仰るとおりです。

でも、それも含めてプロですから。

たぶん、こんな業務に、こんなシステムを本気で提案し、こんな予算で開発するシステム会社は無いと思います。
そのくらい、ムチャなシステムです。
だからこそ、面白いんです。

だって、弊社のテーマは“ロジック&マジック”。
理論上、経営に必要な機能を実現するのがお仕事ですから。
それが採算に合うかどうかも大切ですが、それよりもお客さまに必要な機能を実現させることを最優先に動きます。

もちろん、採算もあわせますよ。
いつか、きっと。

だって、プロですから。

そう、これはきっと投資なんですよ。
月曜朝一の打ち合わせのため、日曜も夜通し働いて、その足で東京へ行って仕様変更の打合せをする。
その苦労もきっと投資です。
きっと回収できるはずです。
今のところ、その目途は全然たっていませんが…。

でも、プロだからこそ、時に、ゼニカネでなく、意地とプライドを優先させるときだってあってもいいかなと思っています。
この経験を次にどういかすか、そこを間違えさえしなければ…。

まだ新幹線の出発までは時間があります。
もう一息です。
頑張るぞ。


caters [ 07.06.25 05:11 ]



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