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そこに悪魔の囁きが

[ garage ]

そんなことを行ったり来たり考えていたとき、以前に登録しておいた1件の不動産屋さんから売り込みのダイレクトメールが入ったのです。

それは、3階建ての中古の事務所兼住宅物件。
場所は、中央郵便局の裏側。
価格は…。まぁ、まぁ。

当然、放っておきました。
そりゃ当たり前なわけで、ついこの間土地を買った人間が、不動産屋さんでもあるまいし、数ヶ月も経たないうちにもう1個不動産を買うなんてことを考えるわけもないでしょう。

ただ、何となく気になったんです。
で、そのメールを捨てることが出来ませんでした。

その間も仲間と何度か新事務所建築の話をするのですが、いまひとつ踏み切れない。
また、仕事が忙しかったせいもあって、ズルズルと先延ばしにしていました。

そんなこんなで約1ヶ月間くらい経った頃、たまたま通勤途中に通ったんです。その物件の前を。
正直、ショボイ。
ただ、場所は値段の割りにいいぞ。
そんな感想を持ちました。

しかし、メールを貰ってからかなり時間も経っているし、もう売れているかなと思ったのですが、念のために確認しよう。
そう思って、その不動産屋さんに電話をします。
「この物件は、もう売れてしまいましたか?」

確認後に電話が来ます。
「いえ、まだ売れていないとの事です。現場を見てみますか?」

そう、そしてこの悪魔の囁きこそが第2の苦悩を生み出すわけです。

「是非、その物件を見てみたいので先方とスケジュール調整してください。」
そう電話口で話していたあの瞬間には思いもしませんでしたが。


caters [ 06.05.20 04:50 ]



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