[ garage ]
いよいよ、物件の引渡し。
朝、通勤時に建物の前を通ったらゴミの搬出をやっています。
これで、本当に引き渡しになるのかとかなり不安な気持ちになります。
約束の9時半に現地へ行ったら、先方の業者と当方の業者がかなり険悪な雰囲気。
先方は、引っ越しがかなり遅れていたものを、当方の業者が何とか早朝までに引き渡せと迫った模様。
挨拶をした後、先方業者は口をとがらせてクルマでいなくなってしまいました。
なので、当方の不動産屋さんと2人で中へ入ります。
「こんなこと普通はないんですがねぇ。」
こちらの不動産屋さんも、あきれた様子で話します。
中へ入ってみると、先日見学したときよりも、相当痛んでいます。
正直、まさか昨日まで人が住んでいたと言っても誰も信じないほどの荒れようなんです。
また、指定した建造物が全部撤去されていなかったり、屋上には石が残されていたり、撤収の状況もひどく、「何だかマズイかも。」とこのとき初めて不安がよぎりました。
ただし、天井の高さとその広さはやはり魅力で、リフォームをどうすればよいのかと思うと多少凹みますが、とりあえず物件は手に入れたのだという満足感でそれもそんなに痛みには感じません。
帰りがけに、先方の不動産屋さんが戻ってきて「リフォームの際には声をかけてください。」と言ってきました。
「はい、考えておきます。」と応えましたが、たぶん彼とはもう2度と会うことは無いでしょう。
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家族と買い物のついでに物件を見に来ました。
妻、絶句。
確かに、外側からは何度か見せてはいたが、さすがに中に入って見るとビックリしている。
仲間も家族と一緒に見に来た際、かなりガッカリされたらしい。
しかし、「ボロビル」と呼ばれたこのビルだが、立地だけはかなり評価されており、「住まないの?」と何度か聞かれた。
確かに、住むといいかもしれない。でも、ダメ。
まずは稼ぐ方が優先なのだ。
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設計士と話をするための材料とする写真撮影をするために建物へ入りました。
言い忘れていましたが、この家にはカギが無いんです。
引渡しのときにも話題になったのですが、いったいどうやって住んでいたのだろうか?と思うのです。
入っても取るものがあるとか、無いとかではなくて、本当に鍵が無いのです。
まぁそんな家なので、あらためて見ると、やはりヒドイ。本当にヒドい。
こいつが果たして本当に使い物になるのだろうかと、多少不安になります。
壁はボロボロで触ると砂がこぼれます。
2階の天井は錆びて穴が開いている箇所があります。
いえ、床も窓も壁も、あちこちに穴が開いています。
大げさではなくて、数日前まで人が住んでいたと言われても、自分で見ていなかったら信じられないほどです。
しかし、屋上に上ると気持ちがいいのです。
これは、思ったよりもいい感じです。
まぁ、何とかなるさと思うことにしたのですが。
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リフォームをお願いする会社の社長さんと担当さんと一緒に物件を見ました。
後から専務も駆けつけてくれて、雨が降る中、熱心に見てくれました。
屋上の処理と1階の駐車場の対応が話題になりましたが、とにかく、今日は現場調査だけということで費用に関する話は一切ありませんでした。
いったい、どれくらいかかるのだろう…。
資金繰りも含めて、かなり不安な気持ちになる1日でした。
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設計事務所に別件で打ち合わせに行きます。
用件がすみ、帰りがけに駐車場で社長と立ち話をします。
とりあえず解体費が別請求になりそうだとの話。
また、足場が無いため近隣との付き合いが問題と指摘された。
そこで、早速、挨拶に行こうといつものケーキ屋にお菓子をを買いに行ったところ休業日。
先行き、かなり不安な気持ちになります。
そこで別のお菓子屋に切り替え、1,500円の菓子を買い現地へ。
すると弊社の物件の駐車場になぜかクルマがとまっています。
そこでそのクルマの後ろに駐車し、まずは隣の美容室へ向かいます。
2階に上がると娘さんらしき人がおり、名前を名乗ると理解したご様子。
そして、美容室の女主人を呼びに行きます。
女主人が来ると、どうも、駐車しているのはその女主人の知り合いの人らしい。
「ごめんね。」と言いながら、「隣近所は助け合いよね。」と、そして前の事務所の人は駐車場が空いていても駐車を許してくれないとこぼすのです。
しかし、よく考えればそんなのは当たり前な話で、会社の駐車場というのは、いつ来るかわからないお客さまのために空けておくのであり、空いているから貸してくれというのはそうそう通用しないでしょう、と言いたかったのですが、そうですねと曖昧に相槌を打っておきます。
引っ越す前からモメることはないわけで、ただ先が思いやられるなぁと思います。
次に、裏のお宅へ向かいます。
何度かチャイムを押した後、奥様が出てきたのでご挨拶だけをして帰りました。
これまであまり意識していなかったのですが、この隣近所とのお付き合いというのも、意外と骨が折れそうですね。
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今日は創立記念日ということで、社員全員でステーキ屋さんで食事をし、その後に新社屋となる物件を見に行こうということになりました。
物件を見に来るとまたクルマが停まっています。
どうも、お隣の美容室の女主人のご友人らしいのです。
みなさんでワイワイ乗り込んでいると、お隣の美容室の女主人も後から出て来て説明をしていましたが、酔っ払っているのであまり聞いていませんでした。
その間に、社員は真っ暗な建物の中に入って建物を見ており、まるで肝だめしのような状態になっています。
でも、なんだかみんなでここに来ると、それなりにいろいろな意味での実感が沸いてくるもので、そうなってくると改めて改修にかかる費用が気になってきます。
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設計会社の社長がみえた。
かなり長い前振りの後に、気になる資金の話をされた。
壊すのに数百万円。まぁ、想定内かなぁという感じ。
そして、内装…絶句。金額を聞いて、一瞬、気が遠くなりました。
当社希望額より1,000万円以上も超過している。
いや、簡単に言えば見込み額の倍近い金額です。
正直、内装の仕様の話なんぞ聞いてられるかという状態に陥ります。
下げられてどのくらいかと聞くと、数百万円下げるのが限界との回答。
まぁ、そうでしょう。
足場のことや、駐車場の壊し方の件など、いろいろ説明されましたが、正直、そんなもんはどうでもいい。問題はゼニを調達できるかだ。
そんな気になります。
さらに、ムチは打たれます。
正直、壊してみないと改装費用が本当にこれで済むかどうかはわからない。
だから、できるだけ早く壊したいとおっしゃいます。
しかし、壊したら作らなきゃならないでしょう。
でも、いまうちの会社にそんなおカネは無いわけです。
それなのに、ヨッシャ壊してみましょうなんて言えるわけないじゃないですか。
ということで、そうお答えし、とりあえず資金繰りを決めてから、あらためて相談したいとお話しました。
それにしても、従業員5人の会社が数千万円ものおカネをどう調達すればいいのだろうか。
そんなもん、本当に。まったく泣きたくなります。
夕方、役員会議を開き、現状を報告しました。
正直、改装か改築かというレベルほど傷んでいるということ、ただ改装の方が安いということ、改装は内外装ともやらねばならず資金は数千万円くらいかかること、増資を含めた資金繰りの方針などです。
結論は、まず資金繰りを頑張ってみて、いけるようなら改装しようということになりました。
投資資金の見込み違いという問題はあるものの、その目的や期待できる成果ということは変わらないわけですし。
それにしても、果たしてどうなるのでしょうか?
我が社の行く末は。
[ garage ]
資金調達をするにあたって、果たしてどこにするかという問題にブチ当たります。
銀行からはいつでも相談に来いと言われてはいました。
しかし、物件購入で借入をしているし、何よりもここまで金額が見込み相違となった以上、金利はできるだけ低い方がいいと考えました。
そこで行政系の金融機関を借入先の最優先候補先として、とりあえず国民生活金融公庫(略して国金)に行くことにしました。
まず、それなりの資料を揃えて、窓口に相談へ出かけました。
しかし、あえなく玉砕。
「これは、担保価値はありませんね。他にありますか?」
「IT資金は、最近この金利じゃ出しませんよ。」
窓口職員の不躾な言葉が自分を打ちのめします。
なんていうか中小企業の悲哀を久しぶりに感じました。
最後には、「じゃ、とりあえず申し込んでください。」的なお言葉を頂戴したのだが、いやぁ久しぶりに金融機関らしい金融機関に来た感じがしました。
金融機関はこれじゃなくちゃいけません。
お前はカネが無くて借りに来たんだ。
お前にそんな借金をできる価値があるのか、と言わんばかりの態度で責め上げる。
金融機関、金貸しは、これじゃなければいけません。
見積りの金額が5%ぶれればカネは出さん、出したカネも返してもらう。
ステキなほど慇懃無礼で高圧的な態度は、床の間を背にしてカネを貸したという時代を体験させてくれました。
なんて役所系金融機関はステキなんだろう。
と、思って帰社すると国金からDMが来ていました。
中小企業の応援をしたいと…。
なお、帰りに法務局へ行き、謄本だのなんだのを準備したついでに、増資の手続きなどについてご教授いただいた。司法書士の先生にお願いすると、楽だけれど20万円以上もかかるものが、自分でやれば7万円で済む見込み。
こうなったら徹底的に節約生活をしてみようかと思いました。
[ garage ]
昨日指示いただいた申込書やら資料やらを持って、朝一番に国金へ出かけます。
またイジメられたらどうしようかと思いながら。
若い人が受付処理をしてくれた後、審査担当の主任さんが出てきました。
昨日、受付をしてくれた昭和の金貸し君の隣の席で話を聞いてもらいます。
かなり忙しそうな方です。
しかし、今度はきちんと話を聞いていただけます。
極めて紳士的で、またきちんと話が出来ます。
少しだけホッとしつつも、多少は残念だったりします。
この対応をもし昨日されていれば、国金侮りがたしと思っていたかもしれません。
さて、最終的にはとりあえず書類を受け取ってもらい、次回の面談の日時を決めました。
夕方にFAXで書類の追加請求がありました。
社内資料を一部手直しして提出しましょう。
[ memo ]
うわあぁあぁぁぁぁぁぁッ!と叫びながら、大通りを走ったらどうなるんだろうとか、思いつつ現実逃避中です。
そして、こんなとこやこんなとこみながら、キレイなお姉さんのいる飲み屋さんとか行って、こんなことしたら楽しそうだなぁと妄想にふける毎日です。
さびしい。
[ garage ]
また朝一番に国金へ行く。
今度は正式に融資申込みのための面談をするために。
依頼された資料を持参して行きましたが、コピーをとる量が半端じゃありません。
とにかく何でもコピーをとっている感じです。
通帳半年分をすべて写しをとります。
そんなにコピーしてどうなるんだろと思いました。
なお、借入の話については、ほとんど触れることはありませんでした。
とにかく、審査用の資料を整える作業に約1時間かかるという感じです。
そして、面談の最後に少しだけ審査の感触が聞けました。
「こちらの担保だけですと、全額は厳しいかもしれません。」
まぁ、そうでしょう。自分でもそう思います。
本社物件は、購入時にいっぱいいっぱい借りているので担保価値は無いらしい。
だから、先に買った物件を担保に入れてくれと言われて了承したのだが、あの物件で数千万の改修費用は賄えないだろう。
しかし、おもむろに「でも、こちらも…。」と言って教えていただいたのが、代表者保証だけで借りることが出来る無担保の貸付。
ただ、その提案の仕方が遠慮すぎです。
こちらとしては助かる話なのだから、もっと正々堂々セールスしてくれればいいのにと思います。
それで合算して満額出るなら、こちらとしては嬉しい限りなのですから。
そんなこんなで正式申込を終えます。
後日、会社にも来て確認を行うらしいです。
審査機関は10日ぐらいということですが、結果がとても楽しみです。